長きにわたってきた人と魔族の争いに決着がつこうとしたその瞬間。
世界は上位種族達の手によって変貌する。
突如現れた上位種族の少年に蹂躙され、
ウルティナは、どうにかルシャだけでも生きて欲しいと自らを差し出す。
「頼むっ! 私は……どうなっても構わん!
煮るなり焼くなり好きにするがいい! だから……!」
その言葉を聞いた上位種族の少年は、一つの提案を持ち掛けた。
「……君、それ以外はできる?」
上位種族達がこの世界を去るまで料理を作れば、ルシャと共に見逃してくれるというもの。
ウルティナは、ルシャの身の安全を考えてこの条件を受け入れた。
しかし姫を思うばかりにウルティナは見落としていた。
彼らの食事はこの世界の「命」――――